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指導員として最高の瞬間!

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おはようございます☀️🙋‍♀️❗️

今日は、富田林市にお住いの58歳男性のお客様です。

10年前にご病気で下半身が不随になり、今回10年ぶりの運転にチャレンジされました。

お身体の関係上、後部座席には特別に奥様も同乗教習していただきました。

ご病気になる前は20年ほど運転経験がありましたので、車両感覚はすぐに取り戻したのですが。。。

ただ、画像にあるように両足が使えない為、ブレーキペダル・アクセルペダルは特殊な装置をペダルに装着させ左手のみの操作と加減になります。右手はハンドル操作となります。

僕も一度操作しましたが難しい・・・

○○さんの必死な運転と頑張りに指導員も奥様も言葉が少なめに・・・前半は悪戦苦闘に・・・

指導員は言葉の助言が大半の仕事なのですが、長く指導していると必死に運転に集中する受講生には指導助言よりも見守る時間の方が長くなり、助言が無い方が上達されるお客さまもおられます。全員がそうではないのですが・・・指導員はお客さんの性質や性格によって指導方法が変わらなければ運転上達は遅れます。

なので、○○さんの助言は信号待ちなどの停止中が効果的ですね。。。

30年以上指導員経験があるのですが、いまだに指導に迷う時があるポンコツ指導員です・・・

前半は、ブレーキ、アクセルのコントロールを徹底して繰り返し覚えて頂き、○○さんの頑張りもあり、驚くほど上達したので後半は運転技術も上がり高速道路体験も実施しました。
高速道路は西名阪道『藤井寺』から『香芝』まで走行しました❗️
帰りは一般道路の奈良方面から『屯鶴峯(どんずるぼう)』の山道を越え大阪方面へ!ご自宅に到着しました。

余談ですが『どんずるぼう』での指導員と○○さん夫婦のやり取りをご紹介いたします。

指導員:『それじゃ帰りはどんずるぼうを越えて帰りますね』

○○さん夫婦:『うん???何ですかそれ?』 変な間ができました。。。

指導員:『いやいや、山のどうずるぼうですよ!!!』

○○さん夫婦:『山の名前ですか? 変な名前ですね。笑』

指導員:『そう言われてみたら変ですね。。』僕らは小さい時から、よく耳にしていたので違和感はなかったのですが・・・

ここで○○さん夫婦は、もともとこの地域ではなく最近越されてきた事が分かりました。。

今になり確かに変な名前やな・・・・

それでは余談は終わります。。


教習でこのような装置を着けての練習は初めてだったので、お申し込みされる時は、事故防止など考え、正直依頼は迷いに迷ったのですが、○○さんの強い希望もあり引き受けることにしました。

自宅に到着し、ホッとした時に○○さんからお礼のお言葉と後部座席に介護の為、同乗された奥様から

『本当にありがとうございました。何年も二人で家とスーパー、病院の往復しかしない生活だったので主人と教習ですがこんな遠くまで車で行けると思いませんでした・・・これから車でドライブも出来そうで・・・少し楽しみが出来、生きがいにもなります❗️』

と涙目でお礼を言って頂きました。

健康な方の車の運転というのは、ごくごく普通でそれほど特別なものではないという考えの方が大半だと思います。

このご夫婦のように運転が「これからの生きがいになります!」と言われたのは初めてで、この時ばかりは、僕も嬉しいのといろんな感情が・・・グッときてしまい、泣きそうになる感情を抑えるので必至で・・・気の効いた返答も出来ず……申し訳なかったです、年なのでしょうか🙏

僕も普段プライベートでも運転はしていますが、この運転が普通に出来ているのは幸せなことだと○○さん夫婦に教わった気がします。

長く指導していますが、この時初めて指導員としての誇りを持てたように思えます。気が付くのはだいぶ遅れましたが・・・


世間では、あおり運転やマナーの悪いドライバーなど程度の低い話題しか取り出されてませんが、このご夫婦のように運転がこれからの楽しみ、生きがいのように感じてられるドライバーがいることを取り上げてもらいたいものですね。

このご夫婦が喜んでくれていた空間に一緒にいられたのは、指導員として最高の瞬間でした。

教習の受講は迷いましたが、今は本当に光栄に思います。

ありがとうございました。

高田
 
2019年11月09日 11:10